Jun17

ミッドサマーのJun17のレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.5
なんなんだよっ、、!
っていう気分にさせられるシーンが連発するアリ・アスター作品。

しかし、その数々の「気持ち悪い」シーンが、「不快」ではないのが、この人の作家性のように感じる。

訳分からない表現の中に美しさがあり、そこに意思を感じる。
その点では、ヘレディタリーの「怖さ」と全く同じようにも思えた。

ヘレディタリーの怖さが、よりシンプルに怨霊ホラー系であるのに対して、ミッド・サマーは、共同幻想の怖さをこれでもかと繰り返してくる作品。
こっちの方はエンタメ性よりも、現実社会に対する皮肉も感じられるようなリアリズムを持って鑑賞者に迫ってくるものがある。

本当に、自分が生きている社会や、そこでの自分の判断は、自分自身が考えて、実行しているものなのか?この村に住む人々が、誰しも素敵な笑顔で人に接するがしかしそこに個性や表情というものはなく、信じるものが揺るがされた(ションベンかけられた)時=自我の崩壊にだけ、猛烈な感情をあらわにするような。
Jun17

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