イシダコ

ミッドサマーのイシダコのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.5
tiff7本目。シン・ファンタ。『ヘレディタリー』が最狂ホラーなら、今回はそれに加えて最狂コメディー。徹頭徹尾とにかく笑える。そしてクライマックスのアレが圧巻。尋常じゃない頭のおかしさで、何を見させられているんだ…… と変な多幸感に襲われる(『ミッドサマー』は純然たるトリップムービーなので、その役目も完璧に果たしている)。ゴア描写も事後処理ではなく直接的な表現で文句なし。反面、見せないことで観客の想像を掻き立て、不安感を煽る引き算の演出にも抜かりはない。全体的に演出の洗練度は前作より更に増していて、アリ・アスターまだまだ持ち札があるな…… といった感。内容的な面で、自分は本作、“寛容”についての映画でもあるのかな? とちょっと思った。本編では、あくまでその対象は “異文化”にあったわけだけど、置き換えればそれは“表現”全般に通じ、もっと言えば“ホラー映画”へのメタ的視点と自己言及でもあるのかな、とも言えるような気がする
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