たく

ミッドサマーのたくのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.7
不穏過ぎるタイトル出しからいかにもアリ・アスター監督らしい気持ち悪さで、緻密で美しいカメラワークと不気味なBGMで何かが起きそうで起こらない不安を掻き立てて行く。

アメリカの若者たちが夏のスウェーデン旅行で90年に一度行われる謎の儀式に参加する話で、前作「ヘレディタリー」が家族のイヤ〜な話だったのが、本作はそれを恋人同士に置き換えて似たようなことをやっている気がした。閉鎖的なコミュニティーに取り込まれる恐怖もあったね。
ダニーがもともとスウェーデン旅行の計画人数に入ってなかったのがミソで、「ひとりぼっちの青春」もかくやと思わせるダンス大会が生き残る切符みたいな感じになってたし、ダニーの最後の選択が女の怖さでエグすぎる。

中盤ダレたし終盤で笑っちゃうところもあったけど、集団狂気の阿鼻叫喚は「クライマックス」より迫力あった。
「餅つき」のシーンでお客さん2人くらい帰っちゃって、この監督の悪趣味を感じさせるのがラース・フォン・トリアーの「ハウス・ジャック・ビルト」思わせたね。ここで「ベニスに死す」の超絶美男子のビョルン・アンドレセンが出てたのがびっくり。
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