つたや

ミッドサマーのつたやのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
5.0
アリ・アスター天才。完璧に近い映画だと見終わって感じた。二律背反するもの全てを孕んでいて、肌が粟立ち体が熱くなるほどの衝撃作。

妻は見終わったあと気分が悪そうだった。気持ちは分かる。確かに気分が良い内容ではない。でも描かれていたのは文化の違いであり、やはりそれらはいきなり遭遇すればおよそ理解の範疇に無いわけだから、おれは抜きにして捉えて見た方が良いと思うし、これから見る人達にもそこは忠告しておきたい。体験というか、体感しないと文化は理解出来ないものなんだろうよ。そのへん割り切れないと相当なダメージを受けるかもしれないから、気を付けてね。

へレディタリーに比べて圧倒的に分かりやすい作りをしていてGood。 へレディタリーは、途中けっこう「んん?どゆこと?」ってのが多くて癖のある作りをしていた。この映画にも、恐らく伏線だったのだろうけど、ちょっとよく分からない、というか「きっとこれは意味があるんだろう…」とにおわせるものが散りばめられていた。でもそれらはほんのpieceであり、ほとんど大筋に食い込む問題ではなかった。もう一度見れば分かるだろうし、よりあの文化への理解を深めてくれるだけだろう。

最初から良いことは起こらないことを、当たり前の風景の中での気味悪い演出や音楽でしっかりこちらに忠告してくれていた。それら演出は派手で特別なエフェクトでは無く、単に豊かな想像力由来のテクニックだと感じた。

久しぶりにもう一度見たいと思わせてくれる映画だった…天晴!
つたや

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