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ミッドサマーのYSKのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.0
主人公はメンヘラメンヘラ言われてるけど、譲歩するところは譲歩し、合わせるところは合わせ、彼氏と友人たちの空気が悪くならないように立ち振る舞う、ごくごく自然な現代女子だと思いました

ホラーというほどホラーでもなく、グロというほどグロでもなく、ミステリーでもサスペンスでもない本作をどう表現したらいいのかはわかりませんが、監督の前作「ヘレディタリー」のように〇〇〇音がトラウマになるってこともないでしょう…が、単純に薄気味悪いし不快感は終始半端ないです

アリ・アスター監督曰く本作は「失恋映画」「家族映画」らしい
いや言ってることはわかるけどもという気はするのですが、主人公のダニー目線で見るとこれほどしっくりくる言葉もないんですよね

家族を喪ったばかりのダニーは邪魔に思われているのを薄々感じながらも恋人のクリスチャンにかなり依存し執着しているのは見てとれます
そんな彼女の執着を解体・解放し、家族という共同体の一員となるべく再構築する作品と見たらすごいしっくりする…気がする笑

さんざん言われているとおり、グロ描写もエロ描写もあるしアイコンとしてわかりやすいからそこが取り上げられているのはわかるんですが、登場人物のセリフや一挙手一投足だけじゃなく、小道具やカメラワークに一片の無駄もないから2回3回、いや5回くらい見ないと全容がわからないし見るたびに感想が変わるかもしれない、そんな映画でした

ちょっと長さを感じるけどね
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