前作へレディタリーがめちゃくちゃ怖いけど、めちゃくちゃ面白かったから期待してたアリアスター長編2作目。
いい意味で期待を裏切られた、これまた怪作。
正直前回に比べると、ホラー的なドキドキを煽る描写は減っていて、そこまで怖くはなかったが、不気味の悪さはヘレディタリーに負けず劣らず。
特に、執拗なグロ描写で人間の体の脆さを表現することで、生と死の境目、そもそも死生観は文化や価値観に基づいていること、現代における正義とは、決して絶対的な真理ではないことを思い知らされる。
観終わった後に自分の中に傷を残すアートとしての側面と、次の展開が読めずハラハラ感を絶えず味わえる娯楽映画としての側面が見事に融合した素晴らしい作品。
アリアスター恐るべし。
万人にはオススメ出来ないけど、グロ耐性がある程度あって、映画に対して自身の価値観のアップデートを求めている人には強くオススメできる。
2020-10
