ごまだんご

ミッドサマーのごまだんごのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.8
圧倒的な風格を持った作品だと思っています。唯一無二で、全てが素晴らしい。
アリ・アスター監督の作品は一般的なホラー映画のような怖さがあまりないんだけど(音で脅かす、幽霊出てくるとか)、常に不穏な空気が流れていて、嫌な感覚が持続するという特徴があります。その感覚の頂点がこの映画だと思います。初めから最後まで気持ち悪くて最高です。
音楽はバイオリンの不協和音をメインで使っています。かなり不快で不気味なんで、無理な人は本当に無理だと思います。個人的にはCMで使われていた“The dance of death”という曲が一番怖くてお気に入りです(笑)。
ホルガの大自然は最高に美しいですが、シンメトリーを利用した撮影や不安定なカメラワーク、倫理観をガン無視した壁画のせいで、見てるだけで不安になります。その居心地の悪さ、胸糞感がもう最高。こういった、映画の世界でしか体験することの出来ない映像は大好きですね。ゴア描写は他の作品と比べてもかなりキツめだと思います。直接的に映されるので、苦手な人は絶対無理だと思います。こっちが油断した時に突然ヤバイ物を映してきたりするので、これから鑑賞する人は本当にお気をつけください。
美術センス、音楽、世界観・雰囲気作りに考察要素。総合的に見てかなり高レベルな映画だと思います。アスター監督がこれからの映画界をどう盛り上げていくのか、本当に楽しみです。
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