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ミッドサマーのtokoのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドサマー(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

主人公のダニーは突然失った家族に代わる、拠り所を心底熱望してただけにオルガという新たな繋がりが持てて彼女にしたら超ハッピーエンドだなと思ったし、2時間ずっと彼女の不安定な心を間近で見ていたので、思わず本当によかったね、と言ってあげたくなる気持ちになりました。他の訪問者にとってはたまったもんじゃないですけど。

ダニーがパニックになった時に村の女性達がダニーを真似て泣け叫ぶシーンは、泣いてる小さな女の子の前でお父さんがそれ以上に大泣きしてみせると女の子が泣き止むって動画を見た事があって、あれはきっと本当に効果的なんだろうなと思います。笑

マジックマッシュルームや変なお茶でトリップする時のあの世界がグニョグニョしだすシーンはまるで自分自身も幻覚を観ているような感じがして好きでした。

初めのダニーの部屋を写すショットがヘレディタリーのドールハウスのシーンっぽかったり、キャッチーでショッキングな画の数々は流石、アリー・アスターの映画だって感じがして楽しかったです。

音楽の使い方も印象的で、特に最初に青空の下、血を見るシーンの前にかかる曲のあの音程の不安定さは心底居心地悪くて、めちゃくちゃ効果的でした。(完全5度がハモってないってすごく気持ち悪い…涙 )

ただ、ヘレディタリーの時も思ったけれど、アリー・アスターのあの「ほれ、この顔悍しいだろ」と言いたげに鎖骨頭蓋異形成症の子や今回のルベンの顔を大写しにするのは、なんだかなーと、どうしても思ってしまいます。もうそういうのは古いと思うんですけどね。次の作品ではそういう魅せ方はアップデートされていたらいいなぁ。

今回、私がそんなに「うぉーー」とならなかったのには、自分が期待値を上げ過ぎてしまった所為もあるけれど、壁にかかった絵も原因の一つで、伏線の回収って事なんだろうけど、何が起こってももうその前に絵画や壁画や刺繍で見てしまってるのでどうしても既視感があって…驚きが無くて物足りなかったです。

ま、でも大好きなウィル・ポールターをスクリーンで拝めたので大満足でした。
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