Mursh

ミッドサマーのMurshのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.7
突き抜けた集団狂気を楽しむ映画。

世の中には様々な宗教があるが、新興宗教に共通して感じる狂気感が非常に上手く描けている。

舞台は自然溢れる夜のない快晴の北欧の田舎。愛車VOLVOの故郷、スウェーデンである。
狂気の宗教を幻想的で平和を感じさせる「田舎」で描くことにより、究極のコントラストを生み出し、味わったことのない狂気感を生み出している。

細かいことは抜きにして、これからどこまでイカれたヤバイことが起きるんだろうという、謎のワクワクを感じながら最後まで楽しめる。

なにより素晴らしいのは「死体表現」。
ここまでリアルに死体を表現した映画は見たことない。一生懸命美術さんが作った死体を自慢したいのか、やたらグロい箇所を何度も見せてくる。このあたり、ストーリーだけでなく、スタッフの狂気感も伝わって来て良い。

また、狂気といえば、性。
これもすごい。こんなイカれた性的シチュエーション、見たくても見れないってくらいの性的シーンがある(決してエロいんではなく、イカれてる)。

主役の女の子もなんだかそこらにいる日本人の女の子のような小さくぽっちゃり気味で、決して美人ではない。このあたりは世界に現実味を持たせたいスタッフの狙いだろう。

音楽も独特で、民族音楽にほどよいイカれ感を入れることに成功しており、世界観をより広げてくれる。

とまあ、やたら褒めた感じになっているが、中身はない映画。とにかく「イカれてるぜ!!」な映画。
映画や本は「異世界に連れて行ってくれる」なんて言うことがあるが、まさに本作は狂気の世界に連れていかれてしまう映画であった。

VOLVOの国、ちょっと嫌いになりそう☻
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