Masa

ベスト・オブ・エネミーズ ~価値ある闘い~のMasaのレビュー・感想・評価

4.3
原題: The Best of Enemies
訳: 最高の敵

— 1971年、ノースカロライナ州。学校統合をめぐる討論会を通して、対立していた黒人活動家と白人至上主義団体KKKの支部長が、思いがけない友情を築いてゆく。

自分の意識下に、知らずのうちに植え付けられた、根拠のない偏見や差別意識。
親が、周りが、社会が、国が、世界が、そうだから、そうしている。
そうしなければ自分が批難されるかもしれないし、そうすることで世界をより良くする一助になるんだ、と。
それらは強迫観念、洗脳、一種の信仰心のような形で、自分の無意識下にまで侵食してしまっているかもしれない。

それらはこれまでの自分の生活の中で少しづつ形成されてきたものであり、それらを変えること、いわば否定することは自分自身を否定するようなことでもあり、容易なことではないかもしれない。
さらに、自分だけではなく、そんな自分の生活によって形成してきた環境や人間関係も相まって、ますますそれは難しくなる。

それを変えるにはどうしたら良いのか。
そもそも変えることはできるのか。
変えることが自分にとって良いことなのか。

そんな問題のヒントになるような、一人の物語。

2022/1
Masa

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