ももん

ベスト・オブ・エネミーズ ~価値ある闘い~のももんのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

実話を元にしただけあって当時の人種問題の生々しさが、感じられた。

オーバーに感じられる顔立ちでありながら、主演女優の演技プランが特に素晴らしく感じた。

ざっくりした自分の浅い知識からすると、かつてイギリスから侵略して占領してきた白人達が、黒人を虐げて奴隷化してきた歴史があり、キング牧師の活動や南北戦争などを経て徐々に黒人等の人種差別を無くす法整備が、進みだした当初、白人至上主義者の団体であるKKKの人間はかつて先祖たちが獲得した奴隷達黒人の上位の立場である白人の地位が黒人達の人種統合の声に押されて脅かされて来てる事に恐怖と怒りを感じており黒人が下等人種であると本気で考えてる白人達が多い。

一方で、虐げられてきた黒人は法律上待遇が改善されてきたとはいえ白人達からの迫害に晒され続けてる。黒人であるだけで差別的な目を向けられる事は現代でもある。

人種を超えた恋愛や友情などまだまだ白い目で見られて弾圧の対象にされてしまう。

特に南部の白人の差別意識は強く、
黒人の生活は多くが苦しく当然受けられるサービスも黒人客お断りされたり、黒人の客は何ヶ月も借家の住居の欠陥修繕を待たされ続けたりして、裁判しても白人の判事は当然の様に白人よりの判決を下す。

そんな社会で起こった火事で黒人の学校が半壊して、白人と黒人の学校の統合をしなくてはならない自体。市議会は白人寄りの決定を下すもアメリカ全土で活動する黒人のブリジョア層を中心とした黒人人権団体が横槍を入れて大事になり、市長は、再び人種統合学校の是非を話し合うセッションを行わせる。

一任された実績のある黒人活動家の旗振りで、現地の黒人活動家の黒人女性と、貧しいがKKK支部長で白人至上主義な白人男性が話し合いの議長となり二週間色々な立場の人を集めて議論する事になり人種統合学校設立や黒人との、学力平等化等について語り合う。

個人的には話し合いの内容は非常に興味深かったので実際の議事録を元に3倍くらいの尺とって映像化してほしかった。

弱肉強食は、社会のある種の真理であり支配者であった、白人が、黒人を奴隷化する事自体は、自然な事だったのだろうけど支配者階級である大半の富裕層や、政治家が白人の当時のアメリカでかなりの割合を占める黒人を迫害して隷属させてきた事自体黒人からしたら絶望な社会だろうけど一斉蜂起などを考えれば白人からしてもかなり危ない社会制度だったのではなかろうかと思う。

未だに警官の黒人への暴行や射殺などの事件が起こってる現場を考えると社会の変革の大変さを痛感させられると共にこの映画で語られた2人の活動には頭が下がる。
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