ともも

ミッション:8ミニッツのともものネタバレレビュー・内容・結末

ミッション:8ミニッツ(2011年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

基本的にはタイムリープ物の亜種。劇中では、死者の脳に残る過去の残像(死ぬ間際の8分間)から過去へのアクセスするという形でタイムリープが説明されている。

通常のタイムリープ物と異なり、この話では人格は主人公であるが肉体や肉体が置かれた時間は別人のそれに戻る。従って、戻った先の人間関係は主人公とは関係のない人々である。通常のタイムリープ物が自分の親しい人を守るために未来に必死に抗うストーリーであるのに対し、本作品にはその必然性がないため、主人公の動機付けが物語の肝となる。その観点からすると、何度も戻るとはいえ、8分間で誰かに恋をしてしまうのはリアリティーに欠けるし、任務という形で括るのは些か強引な感じを受ける。少なくとも、他人に戻る必要はなかったと思う。ラストシーンを考えてもショーンは可愛そうだ。

タイムリープ物に存在する過去改変によるパラドックスは基本的に2つの考え方をとる。

1.変わった現在は別世界に存在する説(パラレルワールド)。
2. 世界は1つであり、そのため変更された事で生まれた矛盾は新しい世界では抹消される説。

本作品の結末を考えると1なのであるが、そう考えるとパラレルワールドが複数ありすぎて、そのどれもがバッドエンドなので物語としては悲しすぎる。やはり、他の人も同様に評価していたが、本物語では"過去"は"残像"として現代に影響を与えない、という仕組みを踏襲し続けた方が良かった様に思える。最後の場面は、時間停止で終了すべきだった。

というわけで、評価は3.0。タイムリープ物としての仕組みは面白いので、この手の作品が好きな方にはおすすめです。
ともも

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