事業に失敗した夫（坂入正三）と共に故郷へと舞い戻った若妻（結城マリア）が、友人夫妻との再会をきっかけにして、拗れた人間関係に陥れられてしまう。"人生の分岐点"に立ち戻った若妻の葛藤劇を描いている、エクセス配給のピンク映画。

別題「浴衣妻の興奮 我を忘れて！」「箪笥奥の情念 浴衣妻の肉欲」。夫を陰日向から支えようとする貞淑な妻が、夫の愛人（葉月螢）、学生時代の友人（ゆき）、友人の夫（千葉誠樹）が織り成す、ドロドロのセックス劇場に取り込まれる。

自分自身も浮気しておきながら、都合が悪くなると被害者ヅラする人間たち。それが悪いというわけでもなく、「愛憎が表面化すれば、こうなるよねー」という引いた目線で描いているところが醍醐味。これも、ある種のグロテスク・ショーといえる。

貞淑だった妻が、愛憎の渦に巻き込まれながら、"色狂い"の境地へと陥っていく。その過程がエモーショナルに描かれており、「ダメよ、ダメよ」と言いながらも、視線で誘ってくる演技にドキドキさせられる。なかみつせいじの色キチガイぶりも素晴らしい。