takaori

ペイン・アンド・グローリーのtakaoriのレビュー・感想・評価

4.0
2024年125本目

「母の喪失とノスタルジー」「映画作りを題材としたメタ映画」という今どきの映画の定番中の定番の題材ではあるが、原色を多用したカラフルな色遣いや同性愛/バイセクシュアルといったアルモドバルらしいモチーフを組み合わせているのが面白い。主演のアントニオ・バンデラスはマッチョな印象があったが、今作ではまだ60歳になっていないにも関わらずすっかり衰えた老人という風体で、病を得て弱った老作家を好演している。編集は時系列通りに進まず出来事を入れ替えるやり方だが、ラストシーンのタネ明かしは定番の落ちとはいえ鮮やかだ。ベルイマンやゴダールを彷彿とさせる。
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