Elijah

ペイン・アンド・グローリーのElijahのレビュー・感想・評価

5.0
劇場鑑賞(2020年下半期第1本目)。
ペドロ・アルモドバル監督作の何が好きか、と言えば鮮やかな原色で彩られた映像の美しさに多幸感を得られるところ。
アルモドバル監督作の良さを理解できるようになったのは歳を重ね人生の善し悪しや侘び寂びを知ってから。
アルモドバル監督の映画愛に満ちた半自伝的に感じる物語がとても良く(ある種の映画と人生への讃歌)、愛する母と映画へのラブレターに繋げるラストシーンが好み過ぎた。
そして、ある場面に於いて一切の修正が入らなかったことに感謝したい(それが当たり前になることを願って)。
見事なまでのアルモドバル監督の分身ぶりを魅せるアントニオ・バンデラスの(良い意味での)枯れた感ある歳の重ね方が抜群に素敵で、知性と色気を感じさせる渋さに参る。
物語に登場する子役、青年(エドゥアルド役のCésar Vicenteに立ちくらみ♥)、熟成された男たちの審美眼的なキャスティングに拍手喝采。
Elijah

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