原作とは少し異なるけれど、女性だからと制限を受けてきた主人公に寄り添おうとする旦那がとにかく素敵で理想的だなぁと思いました。ラストは「女性だからできない」から「女性だからできる」へと方向転換させていて、そういう希望のあるラストがいいなぁとも感じました。
主人公は「女性だから」出来なくなってしまったことが多くなり、自分に制限をかけられるうちに心に抱えるものが増えていってしまいます。
しかし、〇〇さんの妻・娘・母という役は女性特有で、仕事を辞めてしまうと、女性には常にそういった、誰々さんの〜という無意識下の認識が与えられてしまうのも事実です。もちろん、それが良いと望む人もいると思うし、一方でそれを望んでいないにもかかわらず強いられてしまっている人もいると思います。
主人公はそこを「女性だからこそできる役どころ」と方向転換して受け入れることで乗り越えていこうとしてるように思えました。
今の人生を仕事も育児も結婚もと全てを望む形にすることは難しいです。それは女性に限らず、男性にも同じことが言えます。
映画内では育休取得に関して、男性が取ることに批判があちこちからやってきました。
ただ、そこに「私だからこそできる」と自分自身としての意味づけをできるかどうかが大きいのだと思います。
常に「母親として」「妻として」と一般論を振りかざされると、自分がそこにいないような気もしますし、自分でなくて別の何かを透かしてみられてるような気になります。例えば、自分が良妻賢母であるかのように振る舞わなければいけない…といった与えられた役割を与えられたようにやりこなすものです。
しかし、そこに私としてのバックグラウンド、私としての人生が付加されればきっと何かしらの意義や大切さが見出せると思います。それがラストなのかなと。
良い映画で、解釈をいろんな人と共有したい作品でした。
