不慮の事故で身体が不自由になった「旦那様」とフィリピン人家政婦の四季を通した二人三脚のお話。
オープニング。
規則的なあの団地の絵面のなかを、わりと高速で進む車椅子と主人公。
それだけでもう惹き付けられた。
本作いちいち映像のセンスが良い。
ラストの綿毛舞うシーンも信じられないぐらい美しい。
「世の中は説明出来ないことだらけ」
序盤でのエブリンの言葉。
あの辺から早くも私の涙腺がおかしくなった。
この物語、ハッピーエンドといえばそうなのだけど、でもあの前半の時点でこの2人の関係がここまで進展するとはまさか思えなかったところが作品として素晴らしい。
後半、観て良かったーという幸福感がとめどなく押し寄せてくる。
Still Human Still Dreaming
それでも人はなお夢を抱く
エブリンの作品集の表紙裏にチョンウィンが記した言葉。
五体満足であり住むことも働くことも日本以外ではしたことのない私が本作を高く評価するのは全くもっておこがましいけれど、本当に素晴らしい作品。
「夢」というものを久々に近くに感じさせてもらい心から感謝している。