フェアウェルのNakaoのレビュー・感想・評価

安心と信頼の「A24」配給作。
日米の風習の違いや家族の優しい「嘘」を描いたヒューマンドラマ。

年端もいかない頃に成功を求めた両親と共にアメリカへ渡った主人公のビリー・ワン。NYで物書きになる為苦悩の日々を送る中、中国に住む祖母・ナイナイが末期ガンで余命が幾ばくも無いと連絡入るが...という話。

末期癌の本人には真相を知らせず、偽の結婚式をでっち上げて最後のお見舞いに集まる親戚たち。物語は淡々と進むけれど所々クスッと笑えるシーンもあって楽しい。結構好きなのが日本人偽新婦のアイコさん。あの言葉が分からず困って、でも空気も読まなきゃという気まづさが如何にも海外の日本人って感じで背中あたりがむず痒い。心当たりがあるから。

主人公がすっかり開発により変わってしまった故郷を車中から眺めているシーンが印象的。ここ十数年のイケイケ中国経済も小休止。踊り場の時代になったこそ海外生まれの華僑達が外側から見た故郷・中国をこれからどんどん撮っていくんだろう。

ん、ラスト？