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フェアウェルのjamのレビュー・感想・評価

フェアウェル(2019年製作の映画)
4.0
癌で余命僅か。
そうなったら、あなたは知らせて欲しいですか?

癌ではなく恐怖に殺される
そういって、告知しないのが当然という
ビリーの故郷、中国
一方で彼女が現在暮らすアメリカでは
告知される権利があるから告知するという考え

個人主義の欧米と違い
東洋では個人の生命は全体の一部
家族や社会をひとつとして捉える


そう聞かされても、ビリーは大好きな祖母、
ナイナイに悔いのないように生きて欲しくて

アメリカでの就活が難航していることもあり、
ナイナイのために中国に残ると言うビリー

家族は
ナイナイに毎日悲しい顔を見せるの?と。

中国で暮らす家族
アメリカに希望を抱いて渡った家族
それぞれがそれぞれの人生の意味に思いを馳せて

何を成し遂げたか
ではなく
どう生きてきたかが大切なのだと


私の父も若くして癌で亡くなった
病名が分かったときには転移もあり、余命は2〜3ヶ月
告知する、という選択は家族にはなく
苦しくないように
痛くないように
それだけを心がけて

そして
自分がもし癌になったら
たぶん私は告知されなくともわかるだろうけれど
残された時間を想いを残すことなく過ごしたいと思う
どうにも痛みが辛くなったら
改めて告知してもらってホスピスにいこうとか…


ずいぶん昔の出来事を思い出して
太陽のようなナイナイには
何も知らせず、明るく過ごしてもらうのがいいのかと思い

…まさかのラスト…
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