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ラストブラックマン・イン・サンフランシスコのりのレビュー・感想・評価

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地元の観光地&高級住宅地化でやむなく家や家族を失った1人の黒人青年のお話。
監督と主演俳優の体験談が土台ということで、リアルなストーリー(悪くいえば単調?)だが、映像と音楽の効果でエモーショナルに仕上がっている。

親友も事あるごとに言っていたが主人公は本当に優しい奴である。よくあんな生い立ちで芯から腐らずにいられたなと。心の拠り所が崩れ去った時に彼を救ったのも彼自身の人徳かもしれない。
ちなみに親友も聖人レベルにいい奴。地元のゴロツキ達も極悪人というわけではない。
クソみたいな街かつやさしい世界…それがサンフランシスコなのか…。

変えようのない現実に抗うのも良いかもしれないが、そこから降りても決して負けではない。
「大人」になる勇気をくれるいい作品だった。
り