シナモン

TENET テネットのシナモンのネタバレレビュー・内容・結末

TENET テネット(2020年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

テロの現場で始まり、長ったらしい導入描写のないすぐ本編に入って掴むタイプの映画かと思いきや、ストーリーの設定が掴めないまま話が進むので視聴者置いてけぼりの感じがむしろ人によっては序盤でバテてしまいそう。

所々疑問点はあるが、
過去に戻ると時間が逆行する、という新しいアイデアや、中盤以降の物語が徐々にはまっていく感覚はとても面白かった。

個人的な意見だが、ストーリーとしてはあくまで「一人の人間」が過去に戻ったりはするものの一つの線で物語は繋がるが、『トライアングル』のように複数軸の「自分」が同じ時間に交わるものと考えた方が私は腑に落ちる。たとえば今回、TENET組織のボスである未来の主人公が存在している(間接的に干渉する)ことが前提でないと物語は始まらない。だとすれば事前にTENETのボスになっているという別の「軸」が存在しないとおかしくなる。それは逆行せずに自力でなったのか、はたまた別のボスではない自分の介入のおかげかは知らないが、「先に」幹部になっておいた主人公が別軸の過去の自分の分岐を左右し導いているのか…

と、まあただでさえ難解な話を余計難しく考え出したらきりがないのだが、
評判から観る前の期待値が高かった分もうちょいって感じはするものの、とりあえず忘れないうちにもう一度見直したい作品ではある。

何も考えずにぱーっと鑑賞を楽しみたいタイプにはお勧めはしない。
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