小枝

TENET テネットの小枝のレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
5.0
クリストファー・ノーランらしい映画だなといった感じ。得意の化学SFという以前に、派手にあっち行ったりこっち行ったりしながら主人公が全力で頑張るという構図がとてもノーラン作品らしくて好き。ノーランの描くSFは夢でありながらも、かなりリアリティックで、今起きている問題という現実感が強い。冒頭の研究室で逆行弾の説明を受けるシーンなんか非常にリアルで好き。理屈はわからないけど。

時間逆行の理屈が全く分からなくても、とりあえずエンタメとして100点なので、たまに禁断症状が出るくらい観返したくなる。私自身もう5回くらい観てるけど、時間逆行の理屈はほぼ分かってなくて、作中でも化学的な言及よりも哲学的な言及(親殺しのパラドックスなど)の方が多いくらいなので、”考えるな感じろ”が制作が要求してきてるスタイルなんだと思う。

随所に笑わせてくる場面があっていい塩梅の柔らかさを演出していると思う。敵と全力でセーリングするのとか、乗るなよ!って言われた車に速攻乗るとか。上手い。ロバート・パティンソンが片方の口角を釣り上げながら笑っているのを見ると嬉しくなってしまうので、今回も大いに嬉しくならせてもらった。あの笑顔良過ぎます。主人公のジョン・デヴィッド・ワシントンの演技は今作で初めて観たけど、非常にいぶし銀な演技をする方だなという印象だった。好きなタイプなので今後もチェックすると思う。

めちゃくちゃ好きでめちゃくちゃ楽しい作品です。
小枝

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