Ryoji

TENET テネットのRyojiのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
3.3
何回観なければいけないのだろうか。
ノーランワールドに引きずり込まれたが、とにかく難解なパズルを宿題に出された気分でなんとも心地良い。笑

映画の感想はさておき。。
ネタバレにならない程度のトリビアを5つほど。




厳密に言えば、この映画は一般的に言うタイムトラベル物ではありません。タイムトラベルの概念は、10分でも10年でも過去や未来を任意の時点に戻ることができることを意味します。「TENET」は、時間の流れを逆転させるという概念がベースになっており、つまり、キャラクターが特定のイベントまで10日間遡るには、逆に10日間費やす必要があります。実はこのアイデアを使用した最初のSF映画は他に有り、プライマー(2004年)で使用されていました。本作品は2004年サンダンス映画祭で、審査員大賞/アルフレット・P・スローン賞をW受賞し、注目を集めたのでご存知の貴兄もいるのでは?


ノーラン監督の映画制作における伝統の1つは、制作を始める前にキャストとクルーを集め、彼らが共同で取り組む為のプロジェクトのインスピレーションとなった映画を上映する事を常としている。しかし、今回ノーランは長年の伝統を故意に破り、上映会を主催しなかったようで。彼は、キャストとクルーがスパイジャンル(ジェームズボンドの映画を含む)の感覚と記憶から、それらを再現しようとするのではなく、新たな想像を働かせるを望んで挑んだとのことから「TENET」への力の入れようがわかる。


「TENET」に決まる前の映画タイトルは "Merry Go Round" メリーゴーランド


制作チームはBoeing747実機(中古)を購入し、格納庫に突入させたが、スタントはすべてリアルなシーンであり、視覚効果やCGIは一切使わなかった。ノーラン監督は当初、ミニチュアとセットピースを使用することを計画していたが、カリフォルニアのビクターヴィル周辺をロケハンしているときに、大量の古い航空機を見つけ、実際に購入する方がより効率的であることが分かり実物サイズのセットおよびカメラで実際のシーケンス(撮影)を行った。


「TENET」という言葉はおそらく、ポンペイ遺跡にまでさかのぼる5つのラテン語で、単語の広場であるSATOR広場に由来するものと思われる。そのパズルは、SATOR<セイター>、AREPO <アレポ>、TENET<テネット>、OPERA<オペラ>、ROTAS<ロータス>の5文字の5つの単語で構成される5 x 5の正方形を形取る。
その正方形が回転するすべての方向で、これらの5つの単語は縦と横方向の両方から読むことが出来、映画の時間反転機能に適合する要素です。 5つの単語すべてが映画に登場し、冒頭のシーン「OPERA」ハウス、ケネスブラナーのキャラクターは「アンドレイ・SATOR」、その妻、キャット(エリザベスデビッキ)の浮気相手は贋作家「トマス・APERO」、「TENET」は主人公が雇われた組織であり、「ROTAS」は警備会社の名前に使われている。
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