Nadegata

TENET テネットのNadegataのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
3.6
評価が難しい映画。

なぜなら、私が素粒子論の専門家でもなく、知識が浅いからだ。
この映画を観て全てを理解できる人は、真に学のある人だ。
だから、私は簡単に面白いとは言いたくない。

正直、エンターテイメントとしては敷居が高く、やりすぎだと思う。
が、しかし、(おそらくノーラン自身が専門的に興味のある)相対性理論や素粒子論の理系映画として、私のような学のない人間にもすごいと思わせる映像技術とプロットは素晴らしいと思う。

私は、まだ、面白いとは言えないが、ここから素粒子学などに興味を持つ若者が出てくればいいなくらいの代物である。
というよりは、はなから理解できないのはわかってるから、時間という当たり前に疑問を持てよということなのかもしれない。

ノーランの時間にまつわる不可侵さへの疑問と時間に対して漫然と受け入れている観客へのアンチテーゼのような映画である。

こう振り返ってみると、テネットそのものが我々に対する反粒子なのかもしれない。
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