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TENET テネットのpiのネタバレレビュー・内容・結末

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

この作品の主題はアイデアとギミックによる純然たるエンターテイメントであり、物語は意図的に排除されている。主人公は名前も出自も語られず、ひたすら与えられたミッションをこなす操り人形的な存在。ほとんどのキャラクターが操り人形なので、映画を見る際に感情移入をするタイプの人はいまいち没頭できないと思う。
しかし、逆行という奇抜なアイデアと、それを映像に落とし込んだ(しかもCGをほぼ使わずに)ことが本当に凄い。

<1回目 9/20>
5.0か迷うけど暫定4.5。もう一回観たら変えるかも。
うおおおお!待ってた甲斐があった傑作。
テンポの速さと詰め込み具合は紛れもなくノーラン。
シナリオ(というか演出)は確かにややこしいけど、タイムトラベルもののSFやノーランの過去作に馴染みがあればそこまでではないと個人的には思う。全体的なプロットは比較的スタンダード。未来の自分が起点(作中では「黒幕」)であり、現在の自分に(間接的に)干渉してくることで円環構造が作られる、”卵が先かニワトリが先か”系。
同一人物が同じ場面に2人存在する映画は多々あれど(BTTFやエンドゲームなど)、3人存在するのは初めて観たかもしれない。
一番気になるのは撮影。順時系列と逆時系列が同時進行するカーチェイスや最後の戦闘シーン。本当にどう撮影しているんだ?ノーランといえば極力CGを使わないことで有名だけどさすがに合成はしてるよね…?

<2回目 9/21>
1日ぶり2度目。
未だによく分からないのは、逆行世界で爆発した車が熱の反転により冷凍状態になったこと。突き詰めて考えるとどうしても破綻すると思うんだけど、これ以上考えるのはやめます。物理に詳しい人なら理解できるのだろうか…。
順時系列と逆時系列が同時進行する最後の戦闘シーン。人の動きはほぼCGを使っていないらしい。人体の構造上、走る動きを逆さまに再現することは不可能なので、後ろ向きに小走りをしてごまかしているのがちょっと面白い。
昨日はIMAX、今日は通常スクリーンで観た。これは絶対にIMAXで観るべき作品ですね。ノーランが劇場公開に固執していた理由が分かる。
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