勝手にコロナ渦の日本の映画興業の復興を託されたノーラン監督の最新作。結論から言うと、個人的には期待外れだった。ブレないと言えば聞こえはいいけど、設定やドラマ部分の考え方が過去作の繰り返しで既視感がすごい。ノーラン監督はノーマルな人で…少なくとも変態ではないので…同時代人として安心して支持できるんだけど、それが本作では突き抜けないマンネリズムに陥る原因だと思ったね。主演のジョン・デヴィット・ワシントンは優等生的な雰囲気の役者で、前半のスパイ・アクション的な展開ではノーランが007を撮るとこんな感じなのかな？というスタイリッシュ感があったけど、終盤になるに従って話の重力に比して存在感が軽く画面を持ちきれてなかったな。冒頭部分を終盤に繰り返すインセプションみたいな構成を採用しなかったのは良かったね。
2020.9.20 映画館(字幕)
