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TENET テネットのDのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
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IMAX2回鑑賞3500文字超レビュー!
前半ネタバレなし、後半ネタバレあり。
2回目鑑賞が真に面白い理由?
ノーラン監督映画【TENET テネット】のランキングは何位?



9/21(月) 1回目IMAX鑑賞。

話題沸騰、ノーラン最新作。

『TENET テネット』を5億年ぶりの劇場鑑賞!IMAX!!

(『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』初日IMAX以来という苦行を達成。)

これだけでもテンション爆上がりなのに、ノーラン史上でも類を観ない映像革新!こんな変な映画だれも見たことないでしょ?次元を超えたネクストステージへの到達にビックリ。

順行と逆行といったノーランならではのユニークな世界。これが同一画面内で進行するので、くせになる!真似したくなる!!(帰りのエスカレーターでやっている人いた)

特に、高速カーチェイスシーンの異様さは異常な緊迫感を生み出している。鑑賞前から話題になっていた、飛行機を買い取ってぶっ込ませたリアルの重量感もたまらない。

想像以上の難解さは余裕で過去作最高レベル。

情報量の多さと集中力をとぎれないようにして鑑賞した結果、興奮して眠れない!ってなるかと思ったけど、それを通り越して、疲労困憊でめっちゃめっちゃ疲れてとてもよく眠れた笑。不眠症の人には、IMAX鑑賞をオススメ。

音楽はいつものハンス・ジマーからルドウィグ・ゴランソンへ変更。ルドウィグ・ゴランソンは、『クリード チャンプを継ぐ男』、『ブラックパンサー』、『マンダロリアン』などを手掛ける巨匠。映像と相まって、耳に残る前衛的で攻めたカッコイイサウンド。

主演の男女3人、主人公(名もなき男):ジョン・デヴィッド・ワシントン(デーゼル・ワシントンの長男)、ニール:ロバート・パティンソン(ザ・バットマンでブルース・ウェイン/バットマンを演じる)、キャット:エリザベス・デビッキ(身長191cmのクールビューティ)はめちゃめちゃよかったね〜。

敵役のばかさ加減は過去最高を更新。コイツは真面目にアホ、マジかっていう、とんでもキャラ笑。ここだけはコメディー。

この超難解映画の解体新書、パンフレットが神業。だいたいのことはパンフで網羅しているので、観賞後の脳内整理のガイドとして必見・必携。ただし、パンフにも書いてなかったが、本作でのIMAXカメラの割合がどのくらいなのかが気になるので、公表して欲しい。

インターステラーからノーラン組の核となった撮影監督ホイテ・ヴァン・ホイテマ。アクションシーンのフル活用は当たり前として、今回のIMAXカメラはかなり割合が高いと思われるが、どの位なの?インターステラーが60%、ダンケルクが75%なので、ライジング以上、インターステラー未満?それとも、インターステラー以上ダンケルク未満?(ノーラン史上最高のIMAX割合とは宣伝されていなので、このあたりなのかな?という推測)

今年公開の最大の問題作といっていいわけわからん映画。リアルタイム ・IMAX鑑賞必須。

1回でわかるように撮っていない戦略にのるわ、もう1回観てくる!この時代に映画館に足を運ばせてくれて嬉しかったよ。ノーランでなければ製作されなかった映像体験めちゃくちゃ面白かった、ありがとうノーラン。



追記
9/24(木)  IMAX鑑賞2回目。

この映画が持つ難解さから、2回目の鑑賞が真に面白い!
1回目は感覚的に未知なる映像体験に歓喜。2回目は理論的に緻密に作りこまれたド級の超大作に驚愕。

2回目でも全部を理解できたとは到底思えないけど、かなりのもやもやが解消!
2回観てよかった!!

今回の注目したポイントは、世界7カ国ロケ、順行・逆行の理解、音楽(曲名までは把握できていない)。

『TENET テネット』の評価

ノーラン史上最高傑作。
超絶オリジナル脚本により、ひとつの映画に全部入り!
古今東西の世界極上エンタメ最新進化系。

以下ネタバレあり。

『TENET テネット』は150分の映画で50分毎の3幕構成。

1幕目:アバンタイトル〜オセロ空港で主人公とニールが気絶するふりをするまで。
2幕目:目覚めてから〜順行に戻って主人公とニールがコンテナでのタイムパラドックスの話をして、眠りにつくまで。
3幕目:目覚めてから逆行でオセロ着〜エンディング。

『TENET テネット』シーン毎(世界7カ国、順行・逆行、キャラクター、おすすめ音楽)サクっと解説。

①アバンタイトル
キエフのオペラハウス(音楽がよい!)
暗号「黄昏に生きる、宵に友なし」を駆使するも、CIAの任務失敗。主人公が逆行ニールに助けられる。

②オープニング
CIAの任務失敗から拷問、実はテネットの試験で、主人公は合格。

③ノルウェーのトロンヘイムの船上
主人公は、時を逆行する武器を研究している施設で、研究員のバーバラ(クレマンス・ポエジー)からオペラハウスでも体験した逆行弾について説明を受け、捜査を始める。

④ムンバイ
逆行銃の製造元を追って、順行のニールと出会う。商人の妻プリヤ(ディンプル・カパディア)から情報源に近づく為、マイケル・クロズビー(マイケル・ケイン;ノーラン作品常連)を紹介してもらう。

⑤ロンドン
主人公は英国情報員マイケル・クロスビーから情報をもらい、キーアイテムであるゴヤの贋作を受け取る。

⑥イタリアのアマルフィ海岸(音楽がよい!)
主人公はキャットとセイター(ケネス・ブラナー;ノーラン作品はダンケルクに出演)に接近(007の悪役とボンドガールのようだ!)。

⑦ノルウェーのオスロ空港(音楽がよい!)
セイターの核心に迫るため、オスロ空港で贋作の絵を探している途中、回転扉から、順行と逆行の主人公が飛び出してくる。

⑧エストニアでのカーチェイス(音楽がよい!)
※ここから一気に時系列が複雑になって、面白さのレベルも加速する!!
(ノーラン版エンドゲーム!)

マスクをつけた逆行セイター(MMFRのイモータン・ジョーを思い出さずにいられない!)の挟撃作戦により、主人公はアルゴリズム241の空箱を渡す。その後、タリンの倉庫でセイターの拷問により、うそのアルゴリズム241の場所を教えるが、キャットが逆行弾を被弾し瀕死に陥る。主人公、ニール、キャットは逆行してキャットの治療に向かう。主人公は、単独逆行車でプルトニウム241を回収するもすぐさまに奪われ、車に火をつけられる。逆行世界なので、爆発せず低体温症になる。目を覚ました主人公はコンテナの中でニールとタイムパラドックスの話をする(バック・トゥ・ザ・フューチャーが有名)。その後、最初のオスロ空港での順行・逆行の主人公、ニールにつながる。

※エントロピー増大の法則が理解できなくても、以下の2点をおさえれば大丈夫!
逆行世界に行けるのは、オスロの空港と、エストニアのタリンの倉庫の回転扉の2箇所。
逆行世界での主な現象:空気は吸えないのでマスクやテントで吸引が必要。
高温が逆になるので、火だるまだと、低体温症になる。重力や風も逆向き、など。

⑨ロシアのスタルスク12 (音楽がよい!)
セイターのアルゴリズムデッドマンスイッチ(インフィニティ・ウォーのサノスの指パッチンさながら!)による人類滅亡を避けるため、テネットが挟撃作戦を実行する。キャットはタイムリミットギリギリで、セイターを暗殺。冒頭で、キャットが憧れた海に飛び込む自由な女性は、キャット自身だった。アルゴリズム阻止の逆行チームだったニールはクライマックスで、順行に戻り、主人公へ自分は未来からあなたに雇われて逆行してきた秘密を明かす(ターミネーターを想起する爽やかさ!)。黒幕は主人公自身だった。ニールは逆行世界へ戻り任務を実行し、最期を迎える。プリヤのキャット暗殺を主人公が阻止する(マイケル・コルレオーネのゴッドファーザーのように化ける!)。

※ニールの正体。キャットの息子のマックスがこのまま成長して、未来の主人公から任務を言い渡される(ニールとなる)。ニールは映画冒頭のキエフのオペラハウスまで逆行してくる。冒頭とラスト、ニールがリュックに付けていたオレンジ色の紐が目印 (直接の描写はないがそのように推測できる)。

⑩エンディング(音楽がよい!)



まとめ
『TENET テネット』はノーラン史上最高傑作ながら、過去作最高レベルの難解さ。
それゆえ2回目の鑑賞が真に面白い!
1回目の鑑賞後、疑問点についてパンフレットなどを使って解読する。
IMAXでの2度鑑賞がオススメ!
ぜひリアルタイムで!!
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