カフェオレ

TENET テネットのカフェオレのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.3
2回目の鑑賞。
「考えるな、感じろ」精神で理解することを放棄した初回とは違って大まかなあらすじや登場人物の行動動機などが少しわかるようになった。

2回目以降の鑑賞は初回と別視点で観ることができて楽しさが膨れ上がるし、観るたびに発見がある。

必要最低限の情報しか観客には与えられず、集中していないと置いてけぼりになってしまうほどの異常なテンポの良さでストーリーが展開し、そこに「時間の逆行」という要素が加わって初見時にすべてを理解するのはほぼ不可能な難解作品だけど、それによって観客の「もっと理解したい」という欲求がくすぐられるし、それがこの映画の魅力だとも思う。

特に好きなシーンは"プルトニウム241"を奪い合う高速道路でのカーチェイスシーンで、もうやり尽くされたようなカーチェイスに逆行する車を追加することでこんなにも新鮮かつ緊張感ある映像になるのかと感動した。

映画の中では、地球は将来的に温暖化が悪化し人類は滅んでしまうため、将来に希望を持てない未来人が世界の時間軸を逆行させることを企んでいるが、この映画にはノーラン監督の、そのような地球温暖化やまさに今世界中で直面しているコロナウイルスなどの様々な問題に"順行"している人々で共に解決していこうという意思や、解決策を打ち出して地球の歴史を守ってくれる将来の人々への大きな期待が込められていると感じた。