TENET テネットのViperのネタバレレビュー・内容・結末

映画のテーマが"主義"ということもあって、死生観、愛、友情など登場人物達のあらゆる主義が時間軸と共に複雑に交錯する非常に硬派かつ難解で、一度だけでは理解出来ない奥の深い映画。しかしテンポのいい展開で2時間半、観る者を全く退屈させないドラマ作りがされ、爆発やアクションなどエンタメ性も充分に、かつドラマを邪魔しないように上手に組み込まれていた。
ただ一つだけ、どういう訳かクライマックスの"主役"と"セイター"の電話越しの問答だけが、物語のテーマを回収し切れない陳腐な価値観(この映画でいう"主義"とも乖離したようなよく分からないもの)の押し付け合いになっていたのがただ一つの欠点のように思えた。これについては邦訳が悪いのかも、と考えたりもする。