自分はまだ若いのできっとこの映画のあかねや慎之介の気持ちはまだ理解できないのかもしれない。
どちらかといえば、まだ若いあおいやしんのの気持ちに近い人間であると思う。
無垢な若者と社会を知ってしまった大人の対比が明確で、きっと大人に刺さる映画。
とはいえ自分にも普通に刺さった。
「大人になる」ということは希望に満ちてやりたいことがなんでもできる、と考えてしまいがち。
しかし、この映画に出てくる大人たちはどこか自分の本当にやりたいことをしているようには見えない。
あおいも姉のあかねのことを尊敬しつつ、どこか自分のやりたいことをしていないように見え悶々としている。
慎之介も演歌歌手のバックバンドという、高校時代の彼の夢からは少しずれたことをして悶々としている。
「大人になる」からといって100%自分のやりたいことをやって生きていけるわけではない。
それでも何を大切にするか、自分の本心はどこにあるのか。
自分の芯の部分を見失ってはいけない。
自分がもっと大人になった時、若い頃の希望に満ちていた自分に怒られないようにしないとな。と感じた。
もっと歳を取ってからまた観たい。
とてもエモーショナルな映画だった。
川村元気がプロデュースにいたせいか「君の名は。」や「天気の子」を彷彿とさせるセリフや演出が所々に見受けられたのが残念だった。
そんな流行りの演出に頼らずとも十分に勝負できる映画ではあると思う。