MasaichiYaguchi

KESARI ケサリ 21人の勇者たちのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.7
300人のスパルタ兵と100万人のペルシャ帝国軍の死闘を描いた映画で「300 スリーハンドレッド」があるが、実話を基に21人のシク教徒と1万人の敵軍が激戦を繰り広げる本作は、その中にある民族の誇り、愛する人や仲間への思いが迸って熱くなる。
インドがイギリスの植民地だった1897年を舞台にしていて、多民族国家で更にカースト制度もあるので社会が複雑化していた時代だったと思う。
ある事でイギリス人上官の命令に逆らった為、暇なサラガリ砦の隊長に左遷された主人公は、弛みきった砦の兵士達を鍛え直し、万が一の有事に備える。
主人公はともかくとして、殆どの兵士達が同じように髭を蓄えた面構えなので、始めはなかなか見分けがつかなかったが、ストーリーの進展と共に主人公をはじめとした兵士達は夫々掛け替えのない家族や夢を抱えているのが分かってくる。
兵士達の士気が上がり、一体感のある砦になった頃、怒涛の如く敵の大軍が押し寄せてくる。
ここから21対10,000の戦いの火蓋が切って落とされる。
多勢に無勢の戦いなので籠城戦になるのだが、銃撃戦、斬り合い、肉弾戦と息もつけないテンポでアクションが繰り広げられる。
果たして彼らの背水の陣の戦いはどのような結末を迎えるのか。
ややプロパガンダ的な映画ではあるが、黒澤明監督作品のようなスペクタクルや醍醐味があって楽しめる。