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イップ・マン 完結のOscarのレビュー・感想・評価

イップ・マン 完結(2019年製作の映画)
3.6

さらば、イップ・マン──。


言ってみれば3作目でちゃんと終わらせられなかったイップ・マンシリーズの帳尻合わせ的な最終作。
終わる終わる詐欺にならないように「はいっ!これで終わり!満足でしょ!ね!」的な監督の意向が凄く窺えるテイストでしたね。
いや、別に不満じゃないですよ。
ドニーさんの高速爆裂殴りがまた見れただけでも大満足です。

ただ…なんというか…
柔道、ボクシングと来て今度は空手を無理やり敵にした感が凄くしたというか…
移民問題的な切り口で問題を発生させて無理やりファイトしてる感が否めなかったんですよねぇ…
しかも何よりもあの米軍の軍曹たちが軍人とは思えないほどに綺麗な英語を使ってたのが…
昨日一昨日とアメリカのガチでヤバい部分を見ちゃったからこそ余計にリアルに感じられなかったんですよねぇ…
「このウジ虫!!」も「ママのおっぱいでも吸ってろ!!」も言わない米軍教官なんて教官じゃありません(偏見)

結局何が解決したのかよくわからないオチの付け方は今に始まった話じゃないのでこの際無視。


ま、そんなもんはステーキに付け加えられたザワークラウト並にどーでもいい話なのでいいんですけどね。
僕たちはドニーさんの最新アクションを見に来たのです。
来たのです!!
来たはずなのに!!
出番少ねぇ!!!!
そして相変わらず他の拳法家弱ぇ!!!
そしてそれは最早空手じゃねぇ!!
てか誰だそこの若き日のマイケル・ジャクソンそっくりのアフロ野郎!!
てかブルース・リーのそっくりさん最早そっくりさんの域を超えてる!!かっけぇ!!!
でもやっぱり本気を出したドニーさん強ぇ!!!
よくわかんなかったけどやっぱり強ぇ!!
その拍手はよくわかんねぇ!!!
終わったー!!!!!

みたいな感じでしたね。
ドニーさん、約10年間本当にお疲れ様でした。
これからも別次元で貴方の詠春拳を楽しみにしてますよ。


ちなみにあのブルース・リーのそっくりさん、てっきりワンハリに出てた人かと思ったらカンフーハッスルのあのちょび髭チンピラボスの人でした。
実はあんなにカンフー出来たとは…
絶対あの時チャウ・シンチーに勝てたやろ…


あとハートマン軍曹のセリフで地味に心に響いた言葉。

「人は文化だ」

ある時は家族。ある時は詠春拳。ある時は中国人としての誇り。
イップ・マンはいつ如何なる時も何かを守り続けていたと思うと、今回はその文化だったのかなって思いますね。
人は文化。
うーん、今のご時世に響くなぁ。
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