Oscar

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章のOscarのレビュー・感想・評価

3.8

尺が足りない!!!!!!!!!!!


やはり「劇場版オリジナルのエンディング!」にろくなもんは無い。
これはもうこの作品を映像化すると決まった時点で運命づけられていた宿命。
月刊連載だからこそじっくり描くことの出来た異常なまでに丁寧な人物描写を、たったの4時間に詰め込もうと思ったら、そりゃこういうなんとなーくいい感じに終わる昨今よくある系のアニメ映画のオチになってまうよなって感じ。
もちろん非難するわけではないし、これはこれでまぁいいかという気分にもなるけど、やっぱりなんか物足りなく感じるのが原作厨というもの。
やっぱり原作厨ってめんどくさいよねー。


でもちゃんと11巻の人類が終了するシーンを描いてくれたのは嬉しかったな。
あの今まで見て見ぬふりしていた人類、というか日本人に鉄槌を下すシーンは何回見てもゾッとするし、スカッとするんよな。
自分も同罪だけど。


浅尾いにおがでんぱ組のことをちゃんと忘れないでいてくれたのは嬉しかったな。そりゃあんたが作詞したんやもんな。そりゃ忘れないか。やっぱりいい曲。普通に泣いた。かけるタイミング完璧すぎる。
あの曲は世界が終わるとしてもせめてこの今この瞬間だけは大切にしろよって言っているような、傍観することの罪を許してくれるような、聴く度に元気が出るんよな。
楽しい時間は、今その瞬間にしか楽しめないからね。



そう思うと、尺が足りないなりにもちゃんと「何気ない瞬間を大切にする」というテーマは大事にしていたのは嬉しかったな。
あの「世界の終末」というどデカいテーマを掲げているようでテーマは「友情」という超親近感の沸くテーマに落ち着かせている奇妙さはちゃんと映像化されてた気がする。
細かいところはわからなくても、気持ち悪い人類だったな、というよりもなんとなーく気持ちのいい2人だったなと思えるのはよかったなと。
あとあのお兄ちゃんの勇姿をしっかり描いてくれたのは嬉しかった。マジでカッコいいんよ。
妹が果てしない時間遡行に行ってしまったからこそ、妹の帰る場所だけは守り抜くと決めた男の勇姿。
シスコンと言われてしまえばおしまいだけど、友情愛だけでなく家族愛もちゃんもあることを示しているのが良いんよなぁ。
声が諏訪部だからかっこよさが2億倍だったんよ。ズルい。



当初自分の罪の言い訳に使っていた「絶対」という言葉が、最後にはお互いの友情の固さに表す言葉になっているのは気持ちがいい。
こちらの現実でもいつ世界が終わってもおかしくないからこそ、自分も今ある「絶対」なものを大切にしたいなと、僕は思いましたね。



それにしてもこれでもかなり色々ぶった斬っていて、それでも冗長に感じられてしまったところを見ると、マジで映像化って難しいんだなと思いましたね。
かといってあそこからお父さんの逃避行話とか続けるといよいよ観客は飽きてしまいそうだもんね。
そりゃ最終巻まるまるカットせざるを得ないよなぁ......でも編集者になった門出さんの動く姿は見たかったなぁ......
ドラえもんの名前回収のところとかマジで好きなんだがなぁ...


という原作厨の未練タラタラな映画レビューでした。
個人的には花沢先生が木っ端微塵に吹っ飛ぶ方が好きなので、ぜひこの作品に興味持たれた人たちは原作も読んで欲しいですね。
個人的にはあっちのエンドの方が大好き。何度読んでも感慨深くて泣いてまうので。
是非是非。
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