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イップ・マン 完結のtkato100のレビュー・感想・評価

イップ・マン 完結(2019年製作の映画)
5.0
武術家として不公平を許すわけにはいかない。

武術をはじめたときの初心を捨てることはできない。

君もチアは捨てないだろう?」


イップ師匠が引き留めようとするルオナンに語る言葉


切っ掛けは些細な事

有名私立学校のチアリーダーに選ばれたルオナンを嫉妬した白人の娘の一味に暴行され髪を切られる→色々あって米軍海兵隊の一等軍曹とイップ師匠が決闘することに。

中国人に対する差別と偏見が無い教師の決定が仇となり、人種差別の対立がげきかしていく話の軸が確りしている。


「戈を止める」と書いて武となる

武術とはそもそも弱い者が強い者の圧制に立ち向かう術を言う

人間、単純に闘えばそりゃ体格のデカイ方、筋力の強い方が勝つだろう。

では背丈小さく、弱者として生まれついた者は強者の理不尽、不公平な行いを生きている間ずっと我慢しなければいけないのか?

そう、イップ師匠が武術をはじめたのは、この不公平に異を唱える為、力では敵わない者を相手に武技と武術で抗うためだったのだろう。

「勝ち負けを決めるのは重要なことか?」

作中でイップ師匠の方から何か争う事を仕掛けたりすることは一切無い。
偶々居合わせた人たちの理不尽な虐めや祭り荒らしの輩に対してのみ武術家として対峙する。


不公平を許さない、公平を求める心、正義を求める心がイップ師匠の鍛錬の源であり、一代宗師と称される達人に至った根源なのだろう。

その心は息子チンにも受け継がれ、結果喧嘩となり退学になってしまうが、チンは理不尽に対して決然と立ち向かう強い心を持っている。

嗚呼、このあたりの話の構成と流れが素晴らしい。
父と息子、また別の父と娘の不和の描写とそれが和解へ至るストーリーに感動しました。


イップ師匠❗️今度必殺の手刀で喉突き教えて下さい!☺️
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