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はだしのゲン 涙の爆発のmhのレビュー・感想・評価

はだしのゲン 涙の爆発(1977年製作の映画)
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出演者全員チェンジという荒技にでた三部作の二作目。
テーマは主に戦後の住宅難、食料難、戦災孤児。ここらへんを扱ってる戦争映画はほとんどないのでその意味で貴重な一作。
主人公たちをいじめるひとたちが性格悪くて胸くそ。このあたりは原作通りだったと思う。悪いことしてない主人公たちが、全編通していじめられ続ける。
ちょいちょいコミカルなおっかけっこシーンとかも入るけど、正直、それいる?
暇さえあれば、当時の替え歌流行歌を歌わすのは素晴らしい。
被爆者の行進とそれを見て逃げ惑う村人のくだりがクライマックス。ここに子どもたちの歌と、いずみたくによるほのぼのBGMが重なるカオスは一見の価値あり。
ただ、全体としてつまらない。
考えてることややろうとしてること、なんでもかんでもしゃべるから、なかなか感情移入できないようになってる。
作中、イモの配給がある。配給手帳を持ってないから戦災孤児は配給を受けられないのかと思ったら、終戦直後の頃のわりとゆるい時期という設定だったみたい。いっぱいイモをもらってて良かった。
あと、遺骨をバケツに入れてるビジュアルがすごかった。ここだけはマンガより迫力あった。
ほか、くしゃおじさんがモブのなかにいた。あと、公開当時流行っていた「シェー」のポーズを取るシーンがある。そこまでやらせといて「シェー」とはいわせないあたりがこの映画のできを端的に物語っているように思った。
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