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アウシュヴィッツの女囚のyのレビュー・感想・評価

アウシュヴィッツの女囚(1948年製作の映画)
3.3
ポーランドの女性監督ヴァンダ・ヤクボフスカによる、戦後初めて日本で公開されたポーランド映画とのこと。タイトルの通りアウシュヴィッツに人生を翻弄され女囚となっている女性たちの話。収容所で生まれたばかりの赤ちゃんに注射を打つシーンが不快すぎた(直前、ナチからの質問に、女医が「お前みたいな犯罪者にはならないよ」と言うシーンが痛快だっただけに厳しい後味)のに加え、ナチ女が犬を笑顔で可愛がっているシーンの気持ち悪さもすごい。「女性の敵は女性」というのは言葉としてちょっと違うと思うが、ナチの手先に飼われている同じポーランド女性が女囚たちの足を引っ張りまくる。
この映画(実話とされている)では、ポーランド語とドイツ語の両方を話せるユダヤ人の女性が通訳としてナチから重宝され、その翻訳の過程で上手く嘘を織り交ぜてユダヤ女性たちを手助けし有利な方向へ導いていくのだが、現代社会よりも圧倒的に言葉の力が強かったことを思い知る。
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