こつぶライダー

うさぎドロップのこつぶライダーのレビュー・感想・評価

うさぎドロップ(2011年製作の映画)
5.0
10月12日は息子の5歳の誕生日でした。
実は、ずっとこの作品の「子どもとの時間も、自分の時間だから」という言葉に幾度となく助けられてきました。

10年前、公開当時に劇場で鑑賞。
当時一緒に観た彼女こそ、今の妻です。

友人に勧められて漫画を先に読んでおりましたが、映画のこちらもなかなかだなーと思いました。
松山ケンイチさん。私の3つ離れた兄にどことなく似ている。言葉数少ない、寡黙だけど熱いやつ。劇中のダイキチのような勇気も子煩悩さもないけど、なんとなく似ていて親近感がわいた。

昔は気づかなかった、妹役が桐谷美玲で、その彼氏が綾野剛で…今からしたらなかなか豪華な俳優たちが出ているもんだ。

出ている方々の中では、何よりも芦田愛菜が最高。
当時凄かったですよね。でも今でも十分魅力的な演技派俳優さんですよね!「星の子」良かったなー!
子役は泣きの演技と喜ぶ演技の幅が大事だと思いますが、芦田愛菜さんはそのバランスが絶妙です。さらに、演技とは思えない自然体の姿も凄い…
芦田愛菜さんなくして、この映画はありえなかったってくらい、彼女ありきの作品に仕上がってます。

ただし、彼女のプロモムービーだけにならなかったのは、監督さんの力でしょう。
観客に伝えたいテーマを原作の魅力を失わせずに描くあたりはセンスの良さを感じました。

話を初めに戻すと…
私、20代半ばに子どもができました。
実はまだ彼女とは籍を入れていなかったので、いわゆるできちゃった婚だったのですが、割と自分の中ではすんなり受け入れて、父親になっていったなーと思います。
周囲はまだ子どもはおろか、結婚すらしてない人ばかりだったので、若い父親だったかもしれませんが、昔から子どもが好きだったし、親になるのがひとつの夢でもあったので、妻や子どもには感謝しております。
そうして父親になった自分は、まさに今、子育ての楽しさも大変さも感じています。基本的に楽しいんですが、やっぱり独身時代や夫婦のみの家庭とは違った大変さもありますね。
当たり前ですが、時間や金銭的な点で負担と思うことは多々あります。しかし、負担=マイナスばかりではありませんし、そこは結構周りの男性とは違う感覚だったりしますね。

一生乗ってやる、という気持ちで買ったハーレーに乗る時間がなくなり、遂には売ることにしたのが約1年前。
それでも、おかげで子どもとの時間に集中できるし、良かったかな。
映画観る時間もなくなりつつあって、苦しいところはあるけど(笑)
子どもって日々成長していくから、その時間って何にも変え難い大切な時間だって思います。
そう思えているうちは大丈夫かなーと自分に言い聞かせています。

それと、そういった自分の時間ってのは、自分のためだけの時間ではなく、子どもといる時間も含まれてるって考えは素晴らしいな、と。
あまりに言う事を聞かなくてイライラするときもありますよ。赤ちゃんとき、自分の睡眠時間を削ってまで夜中にミルクやオムツ交換もしますが、その全て自分の時間なんだよって思うようにしてますね。
思い込みすぎると病んでしまう人もいそうですが、自分にはちょうど良い考え方なんだと思います。

映画に話を戻すと、葬儀のときの親族の会話がリアルで怖かったな(笑)
なんとなく意地張ってカッコつけたダイキチの気持ちもわかる!
まあ、仕事の部署変えたり、運動靴買ってダッシュで通勤&送迎ってのは凄すぎるけど…若い人には刺激(参考)になる内容なんじゃないかな?
ああいう真っ直ぐな若者は減ってきてるので、これからどんどんダイキチのような人間を育てていかなければいけない!

そんな「うさぎドロップ」、また時がきたら観たいです。
こつぶライダー

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