がちゃん

うさぎドロップのがちゃんのレビュー・感想・評価

うさぎドロップ(2011年製作の映画)
3.5
原作はコミックということですが未読です。
こういう父娘モノには弱いです。

主人公は27歳の青年大吉(松山ケンイチ)。
祖父の葬儀の時に初めて見た少し影のありそうな6歳の女の子。
実は祖父の隠し子、りん(芦田愛菜)だった。

親戚一同は、りんを児童施設に預けるとかなんとか、
無責任なことばかり言っていた。

それを聞いていた大吉はなぜか正義感を発揮し、
りんを引き取って自分で育てると言い出す。

大吉の母親(風吹ジュン)には、
『子供を育てるのがどんなに大変かわかっているの!』と叱責されながらも、りんを引き取る。

その日から、ぎこちないながらも涙ぐましい、
りんと大吉の親子生活が始まった・・・

とにかく大吉がいい人。
突然降ってわいた子育てに、時に悩み挫折しそうになるものの、
できる限りの愛でりんを育てる。

松山ケンイチがとてもいい感じ。

りんを演じるは、
天才子役の芦田愛菜。
時折見せる、幼いながらも強がった表情はすごい演技力だ。

保育園で、
父親と母親の絵を描く時間の時に、
りんは友達の男の子コウキと二人で保育園をエスケイプ。

コウキは死んだ自分の父親の墓に行って、
『さようなら』を言おうと思ったのだ。

お墓の前で号泣するコウキ。
それを見ていたリンも、
父親を思い出して号泣。
りんも父親にさよならを言ったのだろう。
このシーンは胸にきた。

この二人の失踪騒ぎの後、
りんはおねしょをしなくなった。
小さいけれどもひとつ大人になったのだろう。

この手の作品にありがちな、
善意の押し売り感がないのがいいですね。
『クレイマー・クレイマー』の変化球のような感もありますが、
嫌味がない。
コミックも読んでみようかな・・・
がちゃん

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