「親の因果が子に報い」
親がした事で子が苦しむ。
親はそれを知らねばならない、同じように苦しまねばならない。
しかし、
本当に子は苦しまねばならないのか。
そこは断ち切ることは本当にできないのか。それは家族の問題ではなく社会の問題も大きいが、そこにフォーカスは当てられることはない。
これはあくまでも家族の物語。
愛と憎はまさに絡み合っていて、
ほぐして離して整理することは難しい。
家族は余計に。
兄弟でも立場や年齢の違いで愛憎のあり方も違う。気持ちがどう表に出るかも。
人の命を預かるタクシー運転手という職業が、とても皮肉だ。そしてその車たちは無線で緩やかに繋がっている共同体。
ネタバレ
父を殺してまで母が作ってくれたものは、本当に「自由」なのか?
少しだが持っているもの全てで、成功しなければならないという重荷は。
母の在り方に疑問が残る。
殺したことで、その男からの暴力を受けなくなった以外に何か良かったことはあるのか。
殺すしかないと思い詰めたところも、社会のDVへの対処がまだまだ追いついていない現状が浮き彫りに。