光mitu

ひとよの光mituのレビュー・感想・評価

ひとよ(2019年製作の映画)
4.4
『ひとよ』
  試写会で観てきました。人が被っている仮面の話なんじゃないかと、感じました。
 登場人物がみんな人によって自分の事をどこまで晒すか計算しながら仮面を作って行くのが随所で感じられます。
その仮面達も、凝り固まってできた仮面や自己犠牲になるという覚悟によってできためちゃくちゃパワフルな仮面、相手にどう見えるか気にし過ぎたゆえにできた仮面など十人十色。
 更に、その仮面の形がエピソードによって二転三転して、観ている側はそのギャップに可笑しくなったり愛おしくなったり。
 そこに、仮面を保つ理性の決壊、限界までノーメイクになった自意識に白石作品特有のパワーでグワッと迫る。更にそこを俯瞰で観ているキャラがいて、その人が異化効果(多分使ってる)で凛と「自分がどう感じたか」が大切だと訴えてくる。
最高の群像劇でした。
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