kyohei

ひとよのkyoheiのレビュー・感想・評価

ひとよ(2019年製作の映画)
4.0
白石監督作品では、6月に観た『凪待ち』に続いて、家族をテーマに再開と再生を描いている素晴らしい作品だと思いました。

子供達を暴力から守る為に、父親を殺した母親役の田中裕子(あの、でらべっぴんを盗んでからの本音をぶつけるシーンは良かったです…)と三兄弟を演じた、鈴木亮平(若干吃音に悩み、奥さんと娘さんと別居中で不安定な感じ…)、佐藤健(物事を客観的に斜め上から見てる感じは、相変わらずな気がして良かった…)、松岡茉優(本音をぶつけるが、不器用に生きている感じ…)は素晴らしかったと思いました。

いろんなことが起こる話だったんですけど、どのシーンもほとんどが夜だったのが凄く印象に残りました。
冒頭のお母さんが殺したと告白するシーンや、15年後に母親が帰ってくるシーン、ある父親と子供が再開するシーンや、そしてなんと言ってもクライマックスのカーチェイスシーンなどなど…

なんとなくですけど、他人からみればただの普通の夜だったとしても、それが自分にしてみれば、最高の夜だった…

ほんの小さなことでも自分が幸せだと思えればそれでいいのでは…とぼんやりと思いました。

【あらすじ】どしゃぶりの雨降る夜に、タクシー会社を営む稲村家の母・こはる(田中裕子)は、愛した夫を殺めた。それが、最愛の子どもたち三兄妹の幸せと信じて。そして、こはるは、15年後の再会を子どもたちに誓い、家を去った—。たった一晩で、その後の家族の運命をかえてしまった夜から、時は流れ、現在。次男・雄二(佐藤 健)、長男・大樹(鈴木亮平)、長女・園子(松岡茉優)の三兄妹は、事件の日から抱えたこころの傷を隠したまま、大人になった。抗うことのできなかった別れ道から、時間が止まってしまった家族。そんな一家に、母・こはるは帰ってくる。15年前、母の切なる決断とのこされた子どもたち。皆が願った将来とはちがってしまった今、再会を果たした彼らがたどりつく先はー。
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