予告編で「凪待ち」みたいなどんより暗い話かと思ってたら、良い意味で裏切られた。今まで観た白石和彌監督作ではかなり好きな方で、重い話を笑いで中和しつつ、ホームドラマみたいな緩い感じで見せてくれる手腕が見事。
なんたって役者陣の演技が凄く、中でも松岡茉優の恐るべき才能を久々に見た気がする。登場シーンの恥じらいのかけらもない歩き方から度肝を抜かれて、やっぱり彼女は上品な役よりこういう悪びれないのがいいね。
母親の子に対する無償の愛は単なるエゴなのかっていう話を極端な形で提示した話で、早めに出所したのにちゃんと15年目で戻ってくるブレなさに肝の座りっぷりを感じる。それに引き換え親バカの‥ってところを演じ切る佐々木蔵之介が全体のバランサーとなってて良かった。
あとMEGUMIも良きバイプレーヤーの地位を確立しつつあるよね。
