タミントン

ひとよのタミントンのレビュー・感想・評価

ひとよ(2019年製作の映画)
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自分を含め誰かのためを思った時に、こうするしかなかったという行動を起こしてしまうことが自分にもある。

田中さん演じるこはるは、家族を守るために旦那を轢き殺す。映画を見ている側としては、「何も殺さなくたって、他に方法があったんじゃないか」と思う。
しかし、自分のことを振り返ると、(モラルは守るが)本当にキャパオーバーになってどうしていいかわからない時、人が理解できない行動をとってしまうことがある。

劇中の次男との過去のエピソードを見ると、やっぱりこのお母さんは良い母親なんだなぁと思える。だから行動は許せはしないけれど、15年前の母親の思いはわかってあげたくなる。

現実では、こうした誰かの優しさにすぐには気付けないことが多くて、逆に自分も気付いてもらえなくて虚しくなったりする。
この映画を通して人の行動の心理について考えたりすることができた。

ある家族の一夜の話に過ぎないけれど、気づかされることがきっとあるはずです。
色んな人の感じ方があるので、自由に観ると良いです。
クライマックスの田中さんの言葉に救われます。