まず初っ端の田中裕子がオッサンに見えて困惑。そしてヅラ感が出すぎててコントにしか見えなかった。
その後、子供たちが母親を雨の中追いかようと玄関で一瞬ワンクッション置いてからの飛び出すのとかもめちゃくちゃダサくて冷めた。これら一連の最初の10分くらいで俺の中でこの映画はもう完全に終わったと思った。
しかし松岡茉優が出てきてから段々と良くなっていった。
松岡茉優の演技恐ろしいわ。マジでこの映画の世界の住人と化してたわ。全く違和感なかったのですんなりと物語に観入ることができた。
全体的にシリアスというよりコミカルな作りになっていて、終盤の佐藤健と佐々木蔵之介が互いに父と息子を重ね合わせる場面で鈴木亮平がそれぞれに冷静にツッコんだり、佐々木蔵之介が「あの夜は何だったんだ！」と超熱演で言い放ってからの田中の「ただの夜よ」と冷静にツッコんだ所はマジで声出しそうなくらい笑いかけた。
この一連の流れはこの作品においてハイライトなのにある種の漫才になってた。
あと佐藤健と田中裕子の再会シーンは緊張感があった。あの場面、佐藤健が田中裕子をぶち殺すんじゃないかとヒヤヒヤしたわ。あそこは白眉だった。
全体的には悪くはなかったんだけど、やはり元が舞台劇ってこともあって演者の演技が物語より目立つ分、映画としての広がりはそれ程感じなかったのであまり満足は出来なかった。
