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デッド・ドント・ダイのgnspのレビュー・感想・評価

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)
2.0
とんでもなくチープな内容を、とんでもなく一流のキャストでやる。
ジャームッシュによる、タチの悪すぎる悪ふざけ。
これは褒めてもいるし、普通に不快になってもいる。


堅物署長も、やけに落ち着きのある若手も、感情的な女性刑事も、森に住むおっさんも、前時代的思考のおっさんも、ギークな青年も、チャラめな若者たちも、無双する謎の美女も、突飛な超常現象も、安易な社会批判も、一切回収しない線も。
ぜーーーーんぶチープ。
見事なまでにね。

ただやっぱり演ってる人はみんな良いので画面映えはする。これが非常にズルいぜ。
ティルダが日本刀で鮮やかに首を斬る姿は美しすぎるし、アダム・ドライバーは存在自体が良い。


でもまあ内容が内容だぜ。

あとまあ普通にゾンビが「強い」のも残念だったかねえ。
ゾンビ相手にも優しくなれるようなオフビートさを期待していた面もあったので、普通に大群で強いやん…ってなってしまった。


自分は「パターソン」からジャームッシュに入っていてよかった。今作が初めてのジャームッシュ作品になるのはあまりにも不幸な出会いすぎる。
後世振り返った時に「ジャームッシュファン向け上級作」という扱いになること請け合い。
そしてそれをジャームッシュ自身間違いなく狙ってやってる。

なので自分も含めて
「名前につられて観に行った奴らざまーみろ」
って感じです。
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