あす

9人の翻訳家 囚われたベストセラーのあすのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

世界でベストセラーとなった小説「デダリュス」の完結編の発売が決定した。完結編を世界同時に発売するため、9カ国の翻訳家が集められた。彼らは情報流失を防ぐため、外部との接触を一切禁止された状況で翻訳を進めていく。そんな中、出版社の社長に「デダリュス」の冒頭部分をネットで公開したというメールが届く。
翻訳とミステリーってでどんなだろうと思ったけど、本に対する想いが事件へと繋がっていく感じだった。過去と現在を行ったり来たりしながら、謎が徐々に解明されていくのが面白かった。なるほど!と思ったらすぐにまた謎がでてくるので飽きなかった。まさかの?って思う事実がどんどん明かされていくのが楽しくて、誰かに話したくなっちゃう。9カ国の人が集まってるけど、同じ言語の小説の翻訳にきてるから会話ができてることに当たり前だけど感動した。色んな言語を知ってるってつよい。
物語が二転三転するけど話にはついていきやすかったので、すごいなと思った。本を金儲けの道具としか考えていない人と、創作物として尊重したい人。ひとつひとつの作品もちゃんと大事にしつつ、見合った報酬も手にできるようになってほしいなと思う。本好きだから犯人の気持ちも少しは共感できる気がする。
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