たく

9人の翻訳家 囚われたベストセラーのたくのレビュー・感想・評価

4.0
普段ミステリーをあまり観ない自分がのめり込むほど面白かった!
「犯人はこの中にいる!」的なありがちな話かと思ったら、最後の最後まで予想をどんどん覆していく展開に引き摺り回された感じ。

世界的にヒットしたミステリー小説の翻訳権を獲得した強欲な出版社社長と9人の翻訳家をめぐり、映画そのものがミステリー構造になってるのが上手かったね。
3つの時間軸で展開してるのが最初分かりづらかったんだけど、種明かしが進んで行くと、まさにその見せ方こそが映画を面白くしてることに気付く。

純粋な創作活動を金儲けに利用しようとする出版社社長のエゲツなさか胸糞悪く、ラストで全部明らかになった後もスカッとするよりかは、なんとも言えず苦い余韻が残った。

焚書坑儒を思わせる冒頭と、日本製のコピー機はすごいっていうシーン、ギリシャの財政破綻問題を揶揄するシーンが印象的。
たく

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