Rita

サスペリア PART2 完全版のRitaのレビュー・感想・評価

サスペリア PART2 完全版(1975年製作の映画)
3.8
鏡に映った真実。

ピアニストのマークはある晩アパートの窓辺で女性が惨殺される現場を目撃する。記者のジャンナと一緒に事件を調べて行くうちに次々と殺人事件が起こり、マークの身にも犯人の魔の手が迫る。

犯人を推測しながら話を追っていましたが最後には予想を裏切られてしまう。腕相撲のシーンでジャンナが男並みの力があるということに怪しく感じつつも、あからさまに怪しい人物をダリオ監督が犯人にする訳が無いとも思ったり。人物のアリバイや"矛盾"を重視しし過ぎてしまい完全に見落としていました。

冒頭に登場するお店を見た時、画家エドワード・ホッパーの「ナイトホークス」によく似ていると驚いたのですが監督がこの絵画を参考にしていると後に知りセンス良いなと思いました。現実味のないどこか幻想的な雰囲気が漂っていて好きです。

オープニングが結構かっこよくて最後に繋がってる創りにダリオ監督らしさがでてるなと感じた。さらにお洒落で芸術的な要素が加わり、個性溢れるサスペンス映画に仕上がっていました。常に漂う独特な不気味さは「アリス・スウィート・アリス」を見た時の感覚と似ている。

ラストの衝撃展開はまさかのまさかだった。地味に恋愛要素取り入れてるのは謎でしたね。敵と戦う場面になると音楽がカッコよくなるので、あの音楽が流れたら応援シーンなんだと思いながら見てました。

視覚トリックには見事に騙された!観客にも仕掛けをする監督の撮り方が面白い。観賞前はてっきり今作は「サスペリア」の続編だと思っていたのですが、観賞してから別物だと知りました。物語の趣旨もジャンルも全く違います。
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