jam

さくらのjamのネタバレレビュー・内容・結末

さくら(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

家族ってこんなふうだったかな

"一年で一番大切な日に家族全員で餃子をたっぷりと食べる"というのが長谷川家のしきたり

家庭にはそれぞれ独自の慣わしやルールがあることが多い気がするけれど
思い返しても私の実家の場合は、すき焼きには大根の乱切りを入れる、という些細なことしか浮かばない


長谷川家の中心は出来過ぎな兄、一(はじめ)
両親が溺愛して育てたばかりに我儘な美貴
ヒーローの兄の弟という位置づけを確立した薫

愛犬さくらを囲むとまあるくてあたたかい

そんなしあわせは
兄の挫折から少しずつ歯車が狂って

神様が投げるのはずっと直球だった
最近は悪送球ばかりで打てないよ

不自由な身体で年を越す辛さを憂い
この世を去った兄は
美貴の心のバランスも壊して 
赤いランドセルを背負って父も家出


兄と美貴の間
"真ん中"の子に対する私の勝手なイメージ
世渡り上手、が薫にはあまり感じられなくて

もしかしたら一番落ち着いて家族を見つめていたのは彼なのかも

そして
再生

ボールを投げるのは神様じゃない
悪送球を投げるのも自分
どんな悪送球でも全部ばっちり受け止める

家族を取り戻すきっかけは さくら
犬のおならってあんななの?


いつのまにか迎えた新年
父も揃って家族で思いっきり餃子を食べる

…正露丸入りのロシアンルーレット餃子は勘弁かな
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