まつこ

わたしは光をにぎっているのまつこのレビュー・感想・評価

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)
3.9
行き場を失った田舎娘が上京して光を見つける話。

再開発でシャッター街になっていく様子が今の街並みと重なって切なさが込み上げた。これからどうなっていくんだろうね。職場は第一線じゃないから報道ほど混乱はしていないのだけれどその分空きが目立って収益は激減している。閉めることになったら使命として足りないところに行く方がいいのか、味覚障害を起こせない夫のキャリアを考える方がいいのか悩ましいところだ。

「察してじゃない」

あの女子高生のセリフが刺さるね。気持ちはわかるけどツライ。離職率の高い職場にありがちな風景。あの子も必死で気遣う余裕なんてないし家には神経質なママがいるからそうなっちゃうんだろうけど。どんどん世の中がギスギスしているように感じる。暗黙のルールに縛られているというか。コロナでまた変わっているけど公園なのに鬼ごっこの声がうるさいって怒られる子供たちを見た時は悲しくなったなぁ。

今も昔もいいところと悪いところがあって。どっちが正しいとかよかったなんてないんだけど。人の持つあたたかさが消えないでほしいなぁとは思う。

忍成くんのキャラが最高。

ことばは必要な時に向こうからやってくる。光はこの手の中にあると信じたい。

Kaneko Ayano / Hikari No Hou E
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